【ゴルフ】イ・ボミ筆頭、ファンと積極交流　男子ツアーしのぐ女子ゴルフ人気の理由

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国内の女子ゴルフツアーが活況を呈している。ゴルフ人口の減少などにより人気低下が危惧されている中、試合数や賞金総額を着実に増やし、
その勢いは国内男子ツアーを大きくしのぐ。もてはやされる理由はどこにあるのか。（上阪正人）

日本男女ツアーの試合数と女子の賞品総額（写真：産経新聞）
http://lpt.c.yimg.jp/amd/20160109-00000102-san-000-view.jpg

◆男子を尻目に…

昨年末に発表された女子ツアーの２０１６年日程によると、試合数は１試合増えて３８試合。
３月第１週の開幕戦ダイキン・オーキッド・レディース（沖縄県）から最終戦の１１月第４週ＬＰＧＡツアーチャンピオンシップ・リコーカップ（宮崎）まで７月の第１週目以外、
ほぼ毎週試合が行われる。男子ツアーに比べると１２試合も多い。

年間賞金総額も今季は３５億２千万円と４年連続で史上最高を更新。日本女子プロゴルフ協会（ＬＰＧＡ）の小林浩美会長は「ビックリ。
日本選手も頑張っているのでさらなる飛躍を期待したい」と素直に喜ぶ。

一方、男子ツアーも２６試合で前年比１試合増だが、昨季の大会平均入場者数（主催者発表）は１万４千人と前年比約１３％減。
トップレベルの人気を誇る石川遼が昨年１２月のゴルフ日本シリーズＪＴカップで優勝後、「男子選手１人が呼べるギャラリーは女子ツアーの１０分の１かも」と危機感をあらわにしたほどだ。

◆取引先も大喜び

女子ツアーの原動力となっているのがトーナメント前に開催される「プロアマトーナメント」だ。開幕前の水曜日や木曜日、会場はツアー本番とは違ったなごやかな雰囲気に包まれる。
冠企業にとっては取引先などを招待し、人気女子プロと一緒にゴルフをラウンドして交流してもらうことが何よりの接待になる。
できるだけ多くの人を招待したいのに、一線を退いた元幹部が「既得権」を放さず困っている－などという笑い話がスポンサー企業から漏れるほど、人気のイベントなのだ。

プロアマ大会は米国や男子ツアーでも行われているが、男子の場合、かねて「選手は客をもてなすことより、本番に向けて自分たちの練習のことしか考えていない」といった批判が寄せられていた
。一方、ＬＰＧＡはファンやスポンサー企業重視のスタンスを明確に打ち出している。

樋口久子前会長時代から新人選手対象のセミナーを開講し、言葉遣いやあいさつからファンやスポンサーを顧みる意識を持つよう教育を徹底。
試合会場での写真会やサイン会、あるいはファッションショーなどのイベントでファンサービスを図ってきた努力が、スポンサー企業に向けての魅力発信につながっていった。

◆初心忘れぬ女王

公益財団法人・日本生産性本部が発刊する「レジャー白書」によると２０１４年の全国のゴルフ人口は７２０万人（前年比１４０万人、１６・３％減）で、０１年の１３４０万人から４割強減少。
特に若者層のゴルフ離れが深刻とされている。こうした現状を真正面からとらえ、競技以外の場所では「接待」のプロに徹する女子ツアーが盛況を誇っているのはある意味当然だ。

女子ツアー人気に大きく貢献している一人が、昨季７勝を挙げ史上最高額での賞金女王を獲得したイ・ボミ（韓国）。
実力とルックスに加え、ファンにもていねいに接する姿勢で日本でもトップクラスの人気選手にのし上がった。

イ・ボミの日本のファンクラブ会長の安部陸さんは年間出場試合のほとんどを現地で観戦、応援している。「イ・ボミ選手は日本で何勝もするようになった今でも、
日本に来たばかりの時と変わらない。偉ぶるところなく、シーズン中でも食事会を行ってくれる」とサービス精神に感激する。

彼女のようにツアー上位で活躍する選手がシーズン中にファンとの集いの場を設けるのはまれだが、他の選手もオフにはイベントなどでファンと交流に余念がない。
男子ツアーとの人気の格差はますます広がっていきそうだ。

産経新聞 1月9日(土)15時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160109-00000102-san-golf

【ゴルフ】イ・ボミ筆頭、ファンと積極交流 男子ツアーしのぐ女子ゴルフ人気の理由

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