【テニス】全豪オープン、４強ならず…錦織とジョコビッチとの差は何か？

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４大大会初制覇は５月の全仏オープンにお預けだ。テニスの全豪オープン男子シングルス準々決勝で、世界ランキング７位・錦織圭（２６＝日清食品）は同１位ノバク・ジョコビッチ（２８＝セルビア）に３―６、２―６、４―６でストレート負けを喫した。

錦織が絶好調だっただけに、完敗の内容は重くのしかかる。一体、錦織と最強ジョコビッチの差とは何なのか？

　スタミナを温存し、最高潮の状態で挑んだ錦織はジョコビッチの分厚い壁にまたもやハネ返された。日本男子では１９３２年の佐藤次郎以来８４年ぶりの４強進出を信じて、ロッドレーバー・アリーナに駆けつけた日本のファンも現実に打ちひしがれた。

　錦織がブレークを奪ったのは第３セットに入ってから。攻撃的なテニスを駆使しても、ジョコビッチの堅固な守備を崩せない。逆に勝負どころでミスを重ね、凡ミスの数はジョコビッチの２７に対し、倍の５４に上った。高く跳ねる第２サーブに苦しみ、序盤は鋭いリターンも鳴りを潜めた。

「ミスをしすぎた。ふがいない。あまり落ち込みたくはないが、一番強い選手だとはいえ、もうちょっと何かできた」。試合後、錦織はうつろな目でつぶやいた。

　２０１４年の全米オープンで勝利して以来、ジョコビッチには５連敗。この差は何か。１９７１年の全米で３回戦に進出した“レジェンド”坂井利郎氏（６８）は、サーブを一つの例に挙げ、ジョコビッチの強さを次のように分析する。

「ジョコビッチはルーティンじゃないけど、ボールを７、８回、９回つくでしょ。あれでペースを整えて自分のサービスのリズムに入っていく。錦織もより長くつく練習をしたり、（ラグビー日本代表ＦＢ）五郎丸のキックじゃないけど、独特のルーティンをつくって１ポイント１ポイント、形に持っていく工夫をコーチとやっていく必要があるのではないか」

　サーブの前にボールをつく回数は選手によってさまざま。錦織は平均５回程度でジョコビッチより少ない。

　ただ、よく見ると、錦織は第２サーブでも８、９回つく時があるなどバラつきがある。

　また、窮地に追い込まれた時、ボールをつくスピードがやや速くなる傾向も見受けられる。一方、ジョコビッチはブレークポイントを握られても、サーブの“ルーティン”は安定。表情も微動だにせず、王者の風格が漂う。それが、ここぞという時の勝負強さにつながっているという。

　この日、錦織はラケットを何度も地面に叩きつけようとするなどイラ立ちを隠せなかった。「自分の力は全部出せていなかったので悔しい」。うまくいかなかった時、どう心を整えるか。方法はきっとあるはずだが…。

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