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【サッカー】スカパー!専務が漏らした本音とサッカー愛 スカパーのJリーグ試聴契約者数は一度も前年同月数字を下回ったことはない

1 :YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2017/01/11(水) 16:32:04.08 ID:CAP_USER9.net
「空気が変わる」という表現があるが、それを肌で感じることは稀だ。昨年12月18日に横浜で行われたFIFAクラブワールドカップ(CWC)2016の決勝戦。試合が進むにつれ、スタジアムの空気はまさに大きく変わっていった。

 世界トップクラスの強豪、スペインのレアル・マドリードと、鹿島アントラーズの一戦。大方の予想に反し、鹿島がレアル相手に一歩も引かない熱戦を演じた。

 スタジアムで観戦するという僥倖を得た記者はビール片手に席に着いた。今シーズンの世界最高選手賞(バロンドール)を受賞したクリスティアーノ・ロナウド、天才と呼ばれるモドリッチ、スピードと爆発力のあるベンゼマ…。記者を含め、多くの観客の目当ては世界屈指のタレント集団の華麗な技を生で見ることだった。ファーストタッチでボールを足元にきれいに収める技術に感嘆の声が漏れ、スタジアムはあたかもショーを見るような和やかな雰囲気に包まれていた。前半9分にベンゼマがゴールを決め、予想通りのワンサイドゲームになるかと思われたのも大きかった。

 だが実際は違った。鹿島の選手たちは前線から激しいプレスをかけ、執拗にボールを奪いに囲む。まさにインテンシティの高い試合内容で、前半終盤には、それが柴崎岳の同点ゴールとして実を結ぶことになる。

 鹿島の奮闘を目の当たりにして、スタジアムの空気は徐々に変わっていった。観客は皆、中腰で拳を握りしめ、鹿島のプレーに一喜一憂する。ショーを見るような和やかな雰囲気は薄れ、鹿島サポーターの応援歌に合わせてスタジアムの至る所から自然発生的に手拍子が起こる。記者も気づいたらビールを床に置き、声の限りに鹿島の選手にエールを送り続けていた。

 過去にも似たような場面に遭遇したことがある。思い出したのが、10年前に取材した長崎市長選だった。選挙期間中に前市長が暴力団員の凶弾に倒れ、代わりに娘婿が出馬。対抗馬として市職員も名乗りを上げた。当初は弔い合戦の様相で、娘婿が圧倒的に優位だと見られていたが、わずか3日間の選挙戦で空気がガラッと変わった。市職員は一日に十数か所もスポット演説を展開。最初は数人だった聴衆の数が日を追うごとに増え、最後の演説では熱気が地鳴りのように響いていたのが印象的だった。

 結果として、約1000票という僅差で敗れた娘婿陣営。「皆さんにとって父はこれだけの存在だったのですか」。落選後にマイクを持った前市長の娘の一言に、すべての敗因が凝縮されていた。まだSNSがなかった時代の話である。

浦和サポーターも魅了

 選挙とサッカー。ジャンルはまったく異なるが、CWCの決勝もまさに同じような空気だった。レアルのどこか緩慢なプレーに「強者のおごり」を感じ取った観客が、鹿島の必死に食らいつく姿勢に心を打たれ、次第に応援に熱がこもるようになる。もちろん鹿島がJリーグのチームだという点も大きいが、「俺たちが応援しなきゃ」という気持ちが自然と湧き出てきたのだ。

 隣に座る浦和レッズサポーターの同僚記者も例外ではなかった。試合前には「俺は鹿島がCWCに出ていることに納得していない」「鹿島がケチョンケチョンにやられるのを見に来たんだ」と一人で憤り、冷笑的に語っていたが、試合が進むにつれ誰よりも熱心に鹿島を応援していた。

 延長戦で力尽き、試合には負けたものの、鹿島の果敢な戦いぶりには世界中から賞賛の声が寄せられた。と同時に、所属するJリーグにも注目が集まった。いわく「あのレアルを追い詰めた鹿島が3位で終わったリーグとは一体何なんだ」と。

 誕生から23年。これまでJリーグが世界から注目を集めることはほとんどなかったが、CWC決勝をきっかけに大きく飛躍するチャンスを得ることになった。そんな日本サッカーにとって歴史的な試合を、テレビ越しに複雑な思いで見つめる男がいた。

 「正直に言ってちくしょう、あちゃーという思いですよ」

 男の名は小牧次郎氏。有料多チャンネル衛星放送「スカパー!」を運営するスカパーJSATの専務取締役だ。

「世界の中でJリーグの存在感は高いとまでは言えなかった。それが一夜にして劇的に変わったんです。Jリーグにとって間違いなく大きな出来事で、経営的にも、そして個人的にもすごく悔しいですよ」

小牧氏が悔しがるのには訳がある。CWC決勝のちょうど3日前、スカパーJSATは2017年シーズン以降のJリーグ戦の放送・配信事業から撤退することを正式に発表したばかりだったからだ。

 10年間続いたJリーグ中継はまさにスカパー!の顔。皮肉なことにそれを手放さざるを得ない苦渋の決断を下した直後に、鹿島がレアルと歴史的な激戦を繰り広げ、Jリーグが世界の注目を集めることになったのだ。

2 :YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2017/01/11(水) 16:32:31.63 ID:CAP_USER9.net
苦しい時期を支えた糟糠の妻

 Jリーグの最も苦しい時期に手を差し伸べたのが、スカパー!だった。

 1993年、ジーコやリネカー、レオナルドら一流選手を迎え入れ、Jリーグは華々しいスタートを切った。地上波テレビのゴールデンタイムで試合を流せば視聴率は20%を超え、各局はこぞってJリーグの試合を放送した。

 だが、わずか1年半ほどでブームは終焉。それ以降、地上波でリーグ戦が放送される機会はほとんどなくなった。日本代表が初出場した1998年のフランスワールドカップ(W杯)、2002年の日韓W杯を経て、国内のサッカー熱は高まったが、それがJリーグ人気の底上げにまでは及ばなかった。

 フジテレビ社員だった小牧氏が、同社がイコールパートナーとして経営参加したジェイ・スカイ・ビー(JスカイB、現スカパーJSAT)に出向したのは1997年のこと。フランスW杯の開催時期に合わせて、スカパー!で延べ放送時間500時間に及ぶ特番を企画、自ら司会者として特番に出演した。

 フランスW杯特番に手ごたえを感じたスカパー!は次の日韓W杯で勝負に打って出た。巨額の資金をねん出し、民放各局の連合体より上位の放映権を獲得。スカパー!でW杯全試合を放送した。その後、セリエAやCL(UEFAチャンピオンズリーグ)の放映権も次々と取得。いわば小牧氏はサッカーをスカパー!の顔に育て上げたキーパーソンなのだ。

 「多チャンネルだから入手した映像をすべて流せるというのが我々の強みだった。当時は世界中からサッカーの映像がスカパー!に集まってきた。放送センターのある青海(東京都江東区)は『東京の都心からは遠いけど、サッカー的には世界に最も近い場所』と言われていたよ」(小牧氏)

 スカパー!と言えばサッカーという世間のコンセンサスが出来上がった2006年。スカパーJSATはJリーグの放送に乗り出すことを決断する。

「サッカーチャンネルを自認しながら自国リーグを放送しないのは本末転倒だよ」

Jリーグ放送の障害だった映像制作

 そう強く申し出たのは、日本テレビ放送網からスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(現スカパーJSAT)に転じた田中晃氏だった。田中氏は現在、有料放送WOWOWの社長を務めている。

 だが、Jリーグの放送には高い壁があった。W杯や海外リーグの放送は契約先から送られてくる映像を流せばいいだけだが、Jリーグの場合、放映権を持つ企業が映像制作まで手掛けなければならない。地上波テレビ局と異なり、スポーツの映像制作ノウハウがないことがJリーグの放映権獲得に二の足を踏む大きな理由となっていた。

 田中氏には日テレで箱根駅伝の初代ディレクターを務めた経験がある。箱根駅伝をゼロから作り上げたノウハウをJリーグにも移植すれば、うまくいくと考えたが、日テレとスカパー!では事情が違った。

 「箱根駅伝方式で全国の地方局を集めて制作技術のクオリティコントロールに関する合宿を開いたが、『我々がどうして衛星放送の下請けにならないといけないんだ』という反発が強かった。でも地方局はスポーツ放送のスタッフを抱えていてもなかなか放送する枠がない。スカパー!の下請けに入れば、制作力は上がるし、売り上げも立てられる。そこに気づいてくれてからようやく彼らの意識が変わった」(小牧氏)

 当初、Jリーグ側からも「本当にできるんですか」と半信半疑で見られていたJリーグ放送だったが、試行錯誤の末、スカパーJSATは2006年シーズンにまずはJ2の全試合、翌シーズンからはJ1・J2全試合の放送を実現した。

3 :名無しさん@恐縮です@\(^o^)/:2017/01/11(水) 16:32:46.76 ID:rXFs5dYR0.net
で、外国資本に飲み込まれると

4 :YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2017/01/11(水) 16:33:04.67 ID:CAP_USER9.net
観客動員数の増加が社員目標

 「結果としてJリーグが最も苦しかった時期に手を差し伸べたことになるが、我々にとってもメリットは小さくなかった」と小牧氏は振り返る。現に、2007年の本格放送の開始以降、スカパー!のJリーグ視聴サービスの契約者数は一度も前年同月の数字を下回ったことはなかったという。

 地道に視聴者数を増やしていった裏には、スカパー!の中長期的な視点に立った草の根の戦略があった。

 スカパーJSATでJリーグの放送を担当する「Jリーグ推進部」。そこに所属する社員十数人の業務目標のトップに据えられているのが、「担当するクラブチームのスタジアム観客動員数を増やすこと」。スカパー!のJリーグ視聴サービスの契約者数ではない。仮に契約者数を増やしても観客動員数が減れば、その社員の評価は下がることになる。

 だから担当社員はこまめにスタジアムに足を運び、クラブスタッフやサポーターたちと積極的に交流。様々なイベントを共同で企画し、Jリーグの盛り上げに力を注いだ。重視していたのは「ホームの試合はスタジアムで観戦し、アウェイの試合はスカパー!で見よう」というスタンスだ。

 「Jリーグが発展しなければスカパー!の未来はないと考えていた。我々には地道ながらも草の根の活動を続け、Jリーグを陰ながら支えてきたという誇りがある」。小牧氏の言葉からは強い自負がにじむ。

 だが昨年、そんな蜜月関係が突然、終わりを迎えることになった。きっかけはネット動画配信事業者の参入だった。

 ライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」を運営する英パフォームグループが、2017年から10年間のJリーグ全試合の放映権を獲得した。放映権料は10年間で約2100億円。スカパー!がこれまでに支払ってきた金額の4倍超に上る超大型契約だった。

 「スカパーJSATの年間利益と同じぐらいの金額。どひゃー、そりゃうちでは逆立ちしても出せないよという感じだった。どう計算しても採算が合わなかった」と小牧氏は天を仰ぐ。

実は2017年以降の放映権交渉で、Jリーグ側はこれまでスカパー!が行ってきた映像制作を自ら手掛けるように変更すると通達していた。Jリーグ側にも海外主要リーグと同じように自前で映像制作に乗り出したいという独立心が芽生えたためで、スカパー!が10年間で培ってきた映像制作ノウハウは評価の対象外に置かれることになった。

過去と逆の立場になったスカパー!

 放映権は手放すことになったが、小牧氏はパフォームグループとサブライセンス(再供与)について水面下で交渉を進めていた。全試合の放送が難しくても毎節数試合分をスカパー!で放送できればという算段だったが、関係者によると、サブライセンスを受ける試合数について両者の間で大きなギャップがあり、それが最後まで埋まらなかったため、交渉は決裂したという。

 「スポーツビジネスはシビアな世界。我々はかつて日韓W杯を民放各局より優位な条件で放送した。WOWOWからセリエAの放映権を奪ったこともあった。今回は逆の立場になったということ。あれだけ放映権料で差があったらしようがないと諦めるしかないよ…」(小牧氏)

 ただ、小牧氏はJリーグから完全に撤退する考えを持っているわけではない。

 「天皇杯については放送できるメドがついた。ルヴァンカップ(Jリーグカップ)も放送できるようにマスターライセンスを持つフジテレビと現在、交渉しています」。2つの国内カップ戦を軸に、海外リーグの試合を加え、24時間サッカー関連番組を流す専門チャンネル「スカサカ!」を今年2月に開局する予定だという。

 「これからも我々はJリーグを応援していく。各クラブチームとのお付き合いも続けていくつもりです。(パフォームの契約が切れる)10年後…もしかしたらそれより早くチャンスが回ってくるかもしれません。通信サービスはアクセスが多いと輻湊する問題もある。突然の事態になっても、我々はいつでも準備は整えています」(小牧氏)

 経済原理に照らせば、スカパー!だけが放映権を独占していた状態によるマイナス面があったのも事実だ。実際、パフォームの参入で放映権料が跳ね上がった結果、2017シーズン以降、Jリーグの優勝賞金、各クラブへの分配金は引き上げられることが決まった。クラブの資金が増えれば、海外のスター選手を呼び寄せることもできるし、これまで以上に育成やファンサービスにも力を注げるようになるだろう。

 少し情緒的に過ぎるかもしれないが、苦しい時にそっと手を差し伸べ、上向きの状態になったら一歩引いて温かく見守るのが親心というもの。その意味では、「育ての親」であるスカパー!の役割はちょうど区切りを迎えた時期に来ていたのかもしれない。

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