【テレビ】ＮＨＫ総合影の高視聴率番組「さわやか自然百景」とは　数字じわじわ上昇中

鉄チーズ烏 ★＠＼(^o^)／

　「さわやか自然百景」をご存じだろうか。ＮＨＫ総合で日曜午前７時４５分（一部地域除く）から放送されている約１５分の自然番組で、ひそかに高視聴率を記録している番組だ。タイトルに聞き覚えはなくても、見たことはあったり、テーマ曲を聞けば「あの番組か」と分かる人も多いだろう。全国各地、四季折々の美しい映像を記録した同番組について、「この番組の取材を受けるのは初めてかもしれません」と語る伊豆浩プロデューサーに尋ねた。（文化部　本間英士）

■平均視聴率１２％超え

　同番組は平成１０年にスタート。４７都道府県の自然をテーマにした穏やかな番組で、ＮＨＫ経営委員会の石原進委員長（ＪＲ九州相談役）も「ＮＨＫらしくていい番組」と、名指しで好きな番組に挙げるなど、実はファンが多いとみられる。

　「日曜朝の番組なので、見る方に爽やかな気持ちになってほしいと思っています。日本には土地ごとに特殊な環境があり、そこに生きる動物たちがいます。（日曜夜の自然番組）『ダーウィンが来た！』の主役は生き物ですが、この番組の主人公は“場所”そのものです」

　同番組を約５年半担当している伊豆氏は、このように語る。

　これまでの最高視聴率は、昨年６月の１５・７％。高知県の南西端に浮かぶ幸島（こうしま）がテーマの回で、絶滅の危機にある海鳥「カンムリウミスズメ」の繁殖や巣立ちを取り上げた。近年の大河ドラマ並みの視聴率だが、この回については、放送終了間際に関東地方で比較的大きな地震があったことが視聴率に影響したようだ。

　「とはいえ、番組全体の平均視聴率はじわじわと上がっています。昨年１０月に放送した『屋久島』の回も、地震や事件などはありませんでしたが、１４・１％を記録しました」

　今年度の番組全体の平均視聴率は、初めて１２％を超える見込みだという。「日曜朝は、基本的には情報番組が多い時間帯。まったりしたいというか、情報系ではない番組を見たいという心理もあるのかな、と考えています」

■貴重な映像が見られる

　この番組の魅力は、鹿児島・甑島（こしきしま）など行く機会が少なかったり、本土から約１２００キロ南にある無人島・北硫黄島（東京・小笠原諸島）など、そもそも上陸自体が難しかったりする地域の貴重な映像を見られる点だ。

　その一方で、多摩川（東京・神奈川）など身近な地域も取り上げている。多摩川の回では、堰堤（えんてい）周辺にカメラを設置し、アユの遡上（そじょう）などを撮影。普段は立ち入りが禁止されている場所を、許可を得た上で撮影しているため、身近でありながら貴重な映像を見ることができるケースも多い。

　尾瀬（群馬・福島・新潟）の場合には、食虫植物を主に取り上げた。「実は食虫植物は、尾瀬を代表する植物なんですよ。高度が高く、栄養分があまりない地域なので、そもそも生きられる生物が少ない。花に集まる虫を捕まえ、栄養にする－という食虫植物のスタイルは、この地域では合理的な生き方なんです」

　番組でこだわるのは「季節感」を守ること。撮影期間は各回１０日ほどだが、自然が相手なので、スケジュールを事前に組んでも必ずズレるのが悩みだという。「北海道・天塩川で、凍り付いた川が一気に解ける瞬間を撮影した際は、２週間くらい粘りましたね。映像を見たときは、『こんな風景、見たことない…』と感動しました」

　今後は、４Ｋでの撮影を増やしていく方針だという。「４Ｋで撮影することで、より高精細かつ、こだわりのある映像を撮れると思います。皆さんがあまり知らない地域を紹介するのはもちろん、富士山など身近な場所の知られていない面も取り上げていきたいですね」

　（視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区）

2017.1.28 18:00
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