【サッカー】柏、“若い力の台頭”とJ屈指の攻撃力を誇る“トリデンテ”でACLを目指す／2017J1全18クラブ戦力分析

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昨年のオフに続き、今オフも増嶋竜也、田中順也、茨田陽生ら、2011年のJ1優勝を始めとしたタイトル獲得経験者が相次いで移籍したことで、1つの時代が終わった印象さえ受ける。また、秋野央樹も湘南ベルマーレへ新天地を求め、現キャプテンである大谷秀和の“後継者”と目されていた茨田と秋野の移籍はショッキングな出来事でもあった。

その一方で、中村航輔、中谷進之介、中山雄太、小林祐介、中川寛斗といった、昨季飛躍的に力を付け、依然として伸びしろを秘める、20歳前後の有望な若手たちが中軸を担う。チームを率いる下平隆宏監督も「若手の成長は補強に値する」と昨年に続き若手の急成長にリンクするチーム力の向上を確信している。

茨田、秋野が抜けたボランチと、増嶋が抜けたセンターバック（CB）の選手層は必ずしも厚いとは言えないが、それらのポジションにも手塚康平、安西海斗、古賀太陽など新たな若手も多く名を連ね、今季も“若い力の台頭”という面で楽しみな1年になりそうだ。

前述の中村、中谷らを始め、若手のほとんどがU-18時代の下平監督の教え子であり、すでに固い師弟関係が築かれている点や、チームコンセプトを熟知していることもチーム作りにはプラス材料となるだろう。

そして、その“若い力の台頭”と並び、最大の見どころとなるのがアタック陣である。昨季16得点のクリスティアーノ、12得点のディエゴ・オリヴェイラ、7得点7アシストの伊東純也、この柏レイソル自慢の“トリデンテ”に、ベガルタ仙台で10得点をたたき出したハモン・ロペスが新加入。スピード、パワー、突破力、決定力を兼ね備えた4人が並ぶ攻撃陣はJリーグ屈指の陣容と言っても過言ではない。

そのため従来の4-3-3と併用するため、今年はキャンプから一貫して「4-4-2」を採用し、下平監督は4人の共存を図る。さらに大津祐樹、武富孝介も控えており、この豪華絢爛（けんらん）のアタック陣が最大のストロングポイントとなるのは間違いない。

ただ、下平監督は攻撃力にモノを言わせた、出入りの激しいサッカーを求めてはいない。むしろ攻撃力には一定以上の数字が期待できるからこそ、キャンプでは組織的な守備戦術の落とし込みに多くの時間を費やし、「失点減少」を最優先に取り組んだ。

昨季の柏の失点数は44。これはリーグワースト8位の数字である。この失点数が減り、なおかつ前述の攻撃陣が期待通りの破壊力を見せれば、おのずと順位は上がるだろう。

CBの選手層には不安が残るも、サイドバックには右にレノファ山口FCから新進気鋭の小池龍太、左に韓国代表のユン・ソギョンを加え、両SBの選手層は厚みを増した。

柏が据える目標は「勝ち点60以上」。タイトル獲得を視野に入れながら、リーグ3位以内、すなわちAFCチャンピオンズリーグ出場圏内を目標に、2017年シーズンを戦う。

文=鈴木潤

「2017J1全18クラブ戦力分析」

コンサドーレ札幌「脱エレベーターのカギはロースコアゲームにあり」

ベガルタ仙台「攻守にメリハリを付けて、結果を残せる強いチームへ」

大宮アルディージャ「前線のタレントを入れ替え、昨季以上の結果を目指す」

ガンバ大阪「全ては“勝”のために、長谷川イズムで柔軟な戦いを」

ヴィッセル神戸「豊富なオプションを備えるサイドハーフの選択がポイントに」

▼更新予定

2月23日（木）：浦和、甲府、新潟、清水

2月24日（金）：FC東京、C大阪、広島、鳥栖
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