【テレビ】＜民放連＞「地方局へ入ろう」　採用支援開始　その背景は

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　３月１日から就職説明会が解禁され、２０１８年春に卒業する学生の就職活動が本格スタートする。日本民間放送連盟（民放連）は、学生に地方局の魅力を伝えようと、就職情報大手マイナビと連携し、ウェブサイト「ローカル局の魅力」を開設するなど、地方局の採用支援を始めた。その背景は－－。

　●ネットの存在感影響

　「インターネットの存在感が増し、メディアが増える中、学生のマスコミへの関心は薄れている」。学生の志望動向に詳しい吉本隆男マイナビ編集長は指摘する。しかも、採用面接などの選考活動の開始は８月だったが、昨年から６月に前倒しになり、実質的な活動期間が３カ月間に短期化されたため、学生は志望を絞り込んでいるという。ローカル局の場合、学生の地元志向の影響も受ける。昨春、マイナビが大学生を対象に実施した調査では、Ｕターンを含む地元就職の志望は微減の傾向が続いている。

　昨春の熊本地震の被災地にある熊本放送（熊本市）の浦谷英明人事部長は「エントリー数は若干減っているが、それよりもマスコミで働く心構えが感じられない学生が目立つことが課題。学生には、地元のことを地元向けに発信するだけでなく、全国や世界に伝える責任があると説明している」と話す。「責任」を強調するのは、地方局の将来性への不安を感じたり、長時間労働を懸念したりする学生に、地方局の仕事の意義を理解してもらうためだ。

　東日本大震災からまもなく６年、津波や原発事故による避難者数が約８万人の福島県でも、地方局は重要な役割を担っている。福島テレビ（福島市）はここ数年、学生のエントリー数に大きな変動はないという。しかし、採用を担当している鈴木延弘総務部長は「使命感をもって福島で取材をしたいという学生と、地元福島で就職したいが必ずしも放送局でなくてもいいという学生の両極化が進んでいる」と話す。

　●小規模局は手回らず

　民放連が加盟社の支援を始めたのも、こうした学生側の関心の低下やミスマッチの解消のためだが、加えて地方局の規模の問題もある。地元の学生をインターンとして積極的に受け入れる放送局もあるが、社員数が１００人未満の局もあり、採用に手間をかけられない。

　サイトを飾るキャッチコピー「君がいるそこが世界のど真ん中」は、福島県出身で地元の情報発信に力を入れるクリエーティブディレクターの箭内道彦氏が制作。サイトでは加盟２０６社のうち在京キー５局などを除く１４１社が紹介されている。うち５１社は映像で仕事の中身を具体的に伝えている。中には映像を用意したラジオ局もあり、若手社員がやりがいを語る。

　民放連の武田裕之主幹は「真実を求め、それを発信しようとすると、定時で仕事が終わらないことがあるのは事実。でも、そこには、ものを作る楽しさがあることを知ってもらいたい」と話す。

　３月１１日には、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される合同会社説明会「マイナビ就職　ＭＥＧＡ　ＥＸＰＯ」で説明講座を開く。午前１１時半から、人事担当者や若手の番組制作担当者がリレー方式でローカル局の魅力や求める人材を語る。【望月麻紀】

毎日新聞 2/24(金) 15:27配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170224-00000055-mai-soci

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