【サッカー】＜横浜FC vs 水戸＞ウォーミングアップコラム：鍛えられ磨きをかけた中里崇宏。大きかった水戸での経験

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水戸との対戦で、パッと真っ先に顔が浮かぶのはこの人。
ここまで２８試合中、２７試合に出場。ボランチの一角を務め、まさに豊富な運動量と献身的なプレーで中盤を支える中里崇宏（写真）だ。

２０１２年、流通経済大学から横浜FCに加入。ルーキーイヤーから２７試合に出場するなど、活躍を見せた。しかし、ピッチに立つ回数が徐々に少なくなり、翌年の彼の出場試合数はわずか１５。「試合に出られないと思ったときに（水戸から）オファーをもらいました。サッカー選手の価値は、試合に出てこそ決まるとも思っていましたし、自分を必要としてくれるクラブでやりたいと思っていたので、移籍に迷いはなかったですね」と移籍を即決。結果、この移籍は彼を大きく成長させることとなり、水戸での経験の数々は、もともと持つ彼の力に大きな磨きをかけた。
「テツさん（当時の水戸の監督／柱谷哲二氏）には、とにかく鍛えられました。フィジカルも、靭帯を痛めるほどやりましたし、運動量だったり、球際だったり、基本的なところですが、水戸での一年は本当に大きかったですね」。
当時から監督は代わってこそいるが、そのスタイルがしっかり確立されている水戸は「タフな選手がとても多い」と話す。「移籍して思いましたが、水戸は若い選手も多い。ですが、オフの日も自分でトレーニングする選手が多かったり、サッカーに対してしっかり向き合っている選手がとても多かった。きっとそれが、そういったプレーに繋がっているんだと思います。”戦える”選手が多いですよね。それが強みだとも思います」。

水戸での武者修行を終えるとき、柱谷監督（当時）からは「この一年でお前は成長した。だから、もう一度横浜FCで勝負して来い」と言葉を掛けられたという。この言葉に背中を押してもらう形で、2015年に横浜FCへ復帰。そこからの活躍は、皆さんご存知のとおりで、その豊富な運動量と献身さは、今チームに欠かせない存在となっている。
「水戸での経験は大きく活きていますし、あの一年は本当に大きかった。そして水戸に行って、改めて横浜FCが環境に恵まれていることも感じましたね。こうやってクラブハウスがあって、グラウンドもある、お風呂もある、ご飯だって、栄養士さんが管理してくれている食事がしっかり出てくる。それって当たり前じゃないですし、明らかに恵まれています。だからこそ、この良い環境に甘えるのではなく、それをしっかり自覚して、それなりの違いを見せなくてはいけないなと思いますね」と、移籍を振り返る中で、今の「あるべき姿」を再確認したという。そして「今は”どうしたらチームが勝てるかな”ということをいつも意識してプレーしていますし、勝つために何をすれば良いのかを常に考えています。ひとつのボールをクリアするのか、それをパスにできるのか、タッチラインに出さないで繋げるか、とても小さなことですが、それでチームが楽になるなら、汚れ役も（やりたいです）ね。そして一人一人がもっともっと意識を高くもって練習していかないと、レベルアップできない。練習から、練習試合から、公式戦をしっかりイメージしてやっていけば、チームのレベルはもっと上がっていくはず」と続けた。
「とにかく優勝したいですね。僕自身、今年に本当に賭けています。このメンバーを見たら、上に行けない理由がわからない。とにかく目の前の１試合１試合を大切に、全力を尽くしていきたいと思います」。彼から出る静かな言葉のひとつひとつに、強い意志が込められていた。

前節、讃岐に敗戦を喫しているだけに、横浜FCにとっては絶対に負けられない戦いとなる水戸戦。
選手たちの熱い気持ちがこもったプレーの数々を、ぜひ楽しんでいただきたいと思うが、特に彼の献身的なプレーには大きく注目してほしい。

文：浅野有香（横浜FC担当）

明治安田生命Ｊ２リーグ第29節
8月20日（日）18:00KO　ニッパツ
横浜ＦＣ vs 水戸ホーリーホック

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