【音楽】宇多田ヒカル、「あなた」の歌詞は母親・藤圭子とのかつての生活の影響からと説明

名無しさん＠恐縮です

母親みたいにならないように過剰に意識しすぎだな

――過去のインタビュー記事などでは「自我の不在」という表現での指摘もありました。

宇多田「当然、自我はありますよ。ただ鈍いんですね。能力として助長されなかった。
だから会社勤めとか、集団生活の中で、組織の一員として働かなければいけないような
仕事に就いていたら、途中で身体を壊して脱落してしまっていたでしょうね。
主に一人でやって、あとは信頼しているスタッフとしか接触しないというやり方から、
ここまでやってこられたんだと思います」

宇多田「私、YouTubeに上がっていた母親のインタビュー映像を観て、ぞっとしたことがあるんですよ。
それは母が十九の頃の映像で、『自分でああしたいとかこうしたいとか無いの？』みたいな質問に
『私、やりたいことなんてなーんにもない！周りに言われたことをやるだけ』と答えていて。
すごく雑に言っちゃうと、それって私が今話したことと同じなのかとびっくりして……
遺伝もあるんですかね？（笑）」

――自我よりも客観視する自分の方が強いということを、ご自身が自覚したのはいつ頃でしたか。

宇多田「十九歳の時かな。産婦人科に行ったら卵巣のう腫が発覚して。後から考えたら
もっとその場でショックを受けてもよかったのに、『じゃあ明後日は撮影があるので、
その翌日なら手術できます』と、淡々と自分で手続きを進めて手術を終えて、その後、
かなり早く仕事に戻ったんです。でも、ある日突然、雑誌の取材の現場で崩壊しちゃったんです。
現場に着いたら脳が情報を処理できなくなっちゃって、『うわわわわあ、無理！』と崩れてしまった。
初めてその場で仕事をキャンセルして、その後の仕事も全部キャンセル。
結構な大ごとになりました。そこで初めて『辛いよう』とか『怖いよう』という気持ちが、
一、二カ月後にタイムラグを挟んで出たことに気付いた。その後も、突然悲しくなると、
『もしかして、ちょっと前に起きた、あのこと？』となって。
気持ちを抑えることがデフォルトになっていたんです。それが最初でしたね。
かなり不健康だし、いろんな人に迷惑をかけるのはよろしくないから、
その後はちょっとバランスを取らなきゃいけないと思うようになりましたけどね」