【競泳】＜桜田五輪相＞「辞めない」「がっかり」の次は「五輪憲章読んでない」

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競泳の池江璃花子（１８）の白血病公表に対し「本当にがっかりしている」と発言し、批判を浴びた桜田義孝五輪相は１３日、「配慮を欠いた。おわびして撤回する」と陳謝した。だが、野党からの辞任要求には「職務を全うする」と拒否。安倍晋三首相も更迭要求を拒んだ。失言を繰り返す桜田氏を安倍首相が守る背景には“亥（い）年の悪夢”があった。

　問題の発言は、池江が闘病を発表した１２日、都内で記者団の質問に答えた時のもの。「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なのでがっかりしている」と語った。「早く治療に専念して頑張ってもらいたい」としたものの、五輪の水泳競技に関し「１人がリードすると皆、その人につられて全体が盛り上がる。そういった盛り上がりが下火にならないか、若干心配している」とも話した。インターネット上など、国民からは「こんな五輪大臣にがっかり」「人としてどうか」との意見があふれた。

　野党は閣僚としての資質を疑問視。罷免を求める声が相次いで上がり、立憲民主党の枝野幸男代表は「大変な病気でお嬢さんが苦悩しているのに寄り添えない。この６年余りの政治の象徴ではないか」と批判した。

　１３日の衆院予算委で、桜田氏は「水泳界をリードする選手であるとの趣旨を述べた。治療を最優先に頑張ってほしい」と述べ、辞任については「職務を全力で全うする」と言い切った。それでも五輪憲章について「話には聞いているが、自分では読んでいない」と述べ、出席議員らを驚かせる一幕も。安倍晋三首相は「しっかりと職務を果たしてもらいたい」と更迭しない意向を示した。

　桜田氏はこれまでも、失言や言い間違い、担当事案についての知識不足を露呈。批判が高まる中でも、首相は桜田氏を守る姿勢を見せた。理由について、自民党関係者は「閣僚のドミノ辞任による選挙への影響を恐れている」とみる。１０日の自民党大会で、民主党政権を「悪夢」と表現して批判を浴びているが、首相にとっての「悪夢」は２００７年の参院選。ここで惨敗し自身の退陣につながった経緯があり「亥年の選挙は首相の悪夢」とささやかれている。

　４月の統一地方選、７月の参院選が控える今、１２年前の再現を回避したい思いが首相にあるとされる。永田町関係者は「ここで桜田氏を辞めさせたら、失言の多い麻生太郎副総理兼財務相も、火の粉をかぶりかねない。閣僚が次々辞めれば、任命責任を問われて足元が揺らぐ。ここが踏ん張りどころ」。“悪夢”を避けるための守りの姿勢が続きそうだ。

【桜田氏過去の主な失言】

　▼「住めなくなった福島に置けばいい」（１３年１０月）　文部科学副大臣時代、原発事故で出た放射性物質を含むゴミ焼却灰などの処理場所について発言

　▼「なぜ私が選ばれたか分からない」（１８年１１月）　参院予算委員会で野党議員から、五輪相に選任された理由を問われて。安倍首相が「適材適所」とした閣僚人事を疑問視する声も上がった

　▼「１５００円」（同）　参院予算委で五輪の関連予算の金額について問われた際の回答。「あ、ごめんなさい１５００億円」と訂正

　▼「自分でパソコンを打つことはありません」（同）　衆院内閣委員会で、兼務するサイバーセキュリティー担当相として答弁。“衝撃”は国会以外にも広がり、海外メディアにも報道された

2/14(木) 6:00配信
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