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雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ 5

69 :名無し募集中。。。@\(^o^)/:2016/10/17(月) 23:20:15.38 0.net
*  *  *

3年間という歳月が長いかどうかは、人によって異なるけれど、きっと中学校の3年間ってやつは、誰にとっても大きいと思う。
少なくとも、雅は久しぶりに再会した彼女を目にして、それを実感した。

新しい環境、新しい顔ぶれ、新しい生活。入学式の後の教室に満ちるのは、独特の浮かれた空気。
その中で、教室の真ん中、一番後ろの席だけは流れる時間が緩やかだった。

「ホントに、ももだ……」

懐かしい呼び名を口にすると、ようやく目の前の光景が現実なのだと感じられた。
小学生の頃と変わらない、透けるような白い肌。薄い唇に、整った横顔の輪郭。
美人だな、と当時から感じていたことを思い出す。
けれど、あの頃とどこか違う印象を受けるのは、細身の赤い眼鏡のせいだろうか。それとも、小さな手に収まっている文庫本のせいだろうか。

「あのー、もも、だよね?」

彼女の周りの空気を壊さないように恐る恐る近寄って、雅はそっと身を屈めた。
3年の月日を飛び越え、面と向かって声をかけるのは少しだけ勇気が必要だった。

「……はい?」

反応されなかったらどうしよう、という不安は、こちらに向けられた視線に溶かされる。
ただ、雅に向けられた表情はあくまでも怪訝なまま。
違う、期待してた反応じゃない。

「あ、えーと、覚えてない? みやのこと」
「え、と……ごめんなさい」

謝ってほしかったわけではないが、桃子の反応に雅は少なからずショックを受けていた。

「そ、か」

確かに、毎日のように仲良く遊んだ仲というわけではない。
休憩時間には、雅は教室の真ん中で、桃子は端っこで、過ごし方も異なる二人だった。
とはいえ、全く覚えられていなかったとは、想定外だった。
これじゃまるで、自分だけが意識していたみたいじゃん、と心の中で独りごちて、雅は小さく息を吐く。

「んーと、じゃあ、はい」
「……?」

雅が差し出した手に、桃子の首がゆるりと傾く。
どうやら意図は通じていないらしいと分かったが、構わず雅は桃子の手を取る。

「握手。みやはね、夏焼雅っていうの」

よろしくね、とウインクしたのはおまけのつもり。

「あ、うん、ももはーー」
「嗣永桃子、でしょ?」

彼女の記憶の中に残っていないのなら、新しくそこに刻み込めばいい。
名前を言い当てられて目を丸くしている桃子に、雅はとびきりの笑顔で握るその手に力を込めた。

*  *  *

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