牧野「加賀！シャツ捲ってオッパイ見せて！」

635 ：名無し募集中。。。：2020/09/06(日) 18:32:47.85 0.net

>>630のつづき

ふらつく足どりで真莉愛が近づいてきた。
「かえでぃのお友だち？」
カワウソを指す。

「んなわけないじゃないですか」楓が頬をふくらましながら応じた。
だが、カワウソは逃げるでもなくこちらをじっと見ている。
そしてキュウキュウと鳴き始めた。

「なんて言ってるの？」真莉愛が首を傾げる。
「だから分かるわけないでしょうよ」楓は憤慨してタメ口になった。

だが真莉愛の言うとおり、何かを訴えかけているようにも思える。
「ついてこいって言ってるみたいな…」
「分かるんじゃん」
「そんな気がするだけです」

ふたりが近づくと、カワウソはまさについてこいとばかりにテクテク歩き始めた。
チラチラと確かめるように振り返りながら。

「どこ行くんだろ？」真莉愛は楓の手をしっかりと握りながら言った。
「さあ…アニメとかだとだいたいホラーな展開になりますけど」
楓も真莉愛の手を強く握り返した。

カワウソは崩れかけている小さなお社の前で止まると、またキュウキュウ鳴いた。
見ると１体の地蔵尊がひっくり返っている。

「あらあら、お地蔵さま、これは大変」
真莉愛と楓は力を合わせてどうにか重い石仏を立て起こした。
散らばっていた板も雨風をしのげるよう修繕した。
DIYである。

「このために呼んだのかな、あのカワウソ」
「たぶんそうでしょうね。…でも、どこに消えたのかな…見てないですよね？」
「うん、消えちゃったね」