コンビニ店長土下座事件　ネット住民“捜査”過熱に専門家「個人情報暴きは取り締まり強化が必要」

インターネットにアップされた情報やニュースに、＜ネット住民＞が過剰反応し、個人情報がネットにさらされる事案が相次いでいる。
大阪府茨木市のコンビニエンスストアで起きた「土下座恐喝事件」もその一つ。事件から、ネットの持つ怖さが浮かび上がる。

■拡　散　
事件の発端は８日午前１時頃、同府東大阪市の無職中村剛容疑者（３９）（逮捕）の知人男女が空のペットボトルを持って来店し、店長（２６）に水を入れるよう要求して断られたことだった。
男女が店を出て約２時間後、中村容疑者は１人で来店。店長と言い合いになり、一度は引き下がったが、同日朝、中村容疑者は仲間と計４人で再び訪れ、「責任者を出せ」と騒ぎ出した。

４人は居座り続け、同日正午頃、店長と、オーナーを務める父親（５１）らに土下座させたうえ、「謝る時に手ぶらではあかんやろ」などとたばこを脅し取った。
この際、４人のうち１人が土下座の様子をスマートフォンで撮影し、ネットで生中継した。これが約６時間後、ネット掲示板に転載され、拡散していく。

〈かわいそう＞
　＜ゆるせん〉
転載の直後から、こんなコメントが相次ぎ、瞬く間に一部の容疑者の名前もネット上で明らかにされた。

■「面白い」　
同日午後９時頃。茨木署で署員が父親から被害相談を受けていた時、「土下座させられている動画がネットで出回っている」との１１０番が府警に入った。
同署は動画を確認し、捜査が本格化することになる。　一方、ネット上の“捜査”はさらに加速していく。

〈徹底的にやれ〉
〈追い込むのは面白い〉

掲示板には、４人の個人情報を求めるコメントも次々と寄せられ、事件とは無関係の、４人の知人の名前や写真も次々とさらされた。

コンビニ店長土下座事件 ネット住民“捜査”過熱に専門家「個人情報暴きは取り締まり強化が必要」

コンビニ店長土下座事件　ネット住民“捜査”過熱に専門家「個人情報暴きは取り締まり強化が必要」