「モノを捨てると、心が豊かになる」　必要最低限の物で暮らす"ミニマリスト"が話題 [927384547]

必要最低限の物で暮らす生活スタイル、ミニマリスト

「ミニマリスト」という言葉が浸透してきた。必要最低限（ミニマル）のモノで暮らす生活スタイル。
昨年の新語・流行語大賞候補にもなった。自身が勤める出版社から「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」
（ワニブックス）を出版した佐々木典士（ふみお）さん（３６）は、編集者の仕事場で起こりやすい“汚部屋”
生活から脱出して、「考えも変わった」と語る。
佐々木さんが暮らす東京・品川区内のワンルーム（２０平方メートル）には、布団とテーブル代わりの
茶たくだけ。作り付けの収納棚には、わずかな食器と調理器具。あとは洗濯機と冷蔵庫。テレビも
本棚もない。ミニマリストを決意してモノを捨て終えた昨年４月、わずか３０分の荷造りで、以前より
狭い部屋に引っ越した。
「趣味のＣＤやＤＶＤ、好きな本などに囲まれた空間が心地よかった。でも、好きなモノを手放した
ときの解放感もすごかった。モノにエネルギーを吸い取られていた」
２０１３年末、雑誌の取材でクロアチアにある島を訪れた。滞在したホテルの質素なたたずまいにほれ
込んだ取材仲間が、「ミニマリストみたいだ」とブログに書き込んだ。その言葉を知らなかった佐々木
さんは早速、ネットで検索。アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏が座禅を組む写真が目に
焼きついた。登場する人がみんな身軽で自由に見えた。「これだ」と直感したという。
本棚をまるごと処分した。１０００冊以上あった。古本屋に来てもらって、まとめて売った。５００枚
のＣＤ、２００枚のＤＶＤも、一気に手放した。一切、選ばなかった。
「最も迷ったのはテレビ。映画好きで、家にいるとほぼつけっ放しだった。今は、手放して一番良かった
と思っている。何が大切か、何が必要かは人によって違う。減らすモノも当然、違ってくる」
仕事も一変した。ワニブックスでは写真編集担当だったが、ミニマリズム追求のため書籍の企画を
提出。執筆者を探していたが、「自分が書けば面倒がない」と直訴した。その本がなんと１６万部超え、
同社の書籍の昨年のベストセラーとなった。
捨てる決意は並大抵ではないと思うが、「１回捨ててみて、必要になったらまた買い戻せばいい。やり
直せると考えたら思い切りがつく」そうだ。
佐々木さんは、仕事以外は“引きこもり”生活だった。人に会うより、部屋の中で趣味に興じるのが
至福の時間だった。
「今は、立ち上げたサイトのオフ会などで、外に出て積極的に交流するようになった。自分の部屋は、
知らない人でも誰が訪ねて来ても大歓迎。ミニマリストのモデルハウスですね」
ミニマリストとは、「モノを捨てると、心が豊かになる」という思考。だが、その価値観を他人に押し
つけるわけではない。その時々の交友関係に合わせたミニマルな生活を考える。
「モノを持つことは、他人の目線を気にすることにもつながる。持たなければ人と比べることもない。
確かにモノは使わなくなったが、体験に多くのお金を使うようになった。むしろ支出は増えた」
外歩きのためにイタリア製ピストバイク（１２万円）や高級ダウン（１５万円）を購入した。過去の思い
出を物語るモノ、将来使うかもしれないモノに執着するより、今しかできない体験や出会いに価値を
見いだしている。【斎藤暢也】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160103-00000033-nksports-soci

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