【東京五輪】今後､限られた出場枠を巡る｢野球＆ソフト｣vs｢空手｣vs｢スカッシュ｣の仁義なき戦いが繰り広げられる！森喜朗会長｢白紙状態｣

スカッシュと空手、五輪競技採用へ課題…野球＆ソフトと争いに

　国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）の臨時総会で、五輪の開催都市に実施種目追加の
提案を認めることが決まった。２０２０年東京五輪での実施を目指すスカッシュと
空手の関係者は８日、歓迎した。だが実現のためには限られた出場枠をめぐり、
野球・ソフトボールとの“レース”を勝ち抜く必要がある。ＩＯＣへの提案権を持つ
東京の大会組織委員会も難しい選択を迫られることになりそうだ。

　三つどもえの争いが幕を開けた。野球・ソフトボール、スカッシュ、空手。
追加競技の座をつかむのはどれか。２０２０年東京五輪・パラリンピック組織委員会の
森喜朗会長（７７）は、現状について「白紙状態だ」と強調した。

　スカッシュは世界１８５カ国で約２０００万人の愛好者を誇りながら、
国内での認知度は低いという問題を抱える。過去３度の挑戦で五輪競技入りを
逃してきた日本協会の笠原一也会長（７６）は臨時総会の採決に喜びつつも、
「日本では野球・ソフトボールと空手が人気なので厳しい部分がある」
と弱気にならざるを得なかった。

　愛好者は世界で１億人とされる空手は、昨年９月のＩＯＣ総会で同じ格闘技系の
レスリングが、実施競技に残留したことがどう響くか。全日本空手道連盟の
笹川尭会長（７９）は、「石にかじりついてでも五輪に入れたい」と興奮気味に語ったが、
日本での人気は野球・ソフトボールにはるかに及ばず、劣勢を強いられる可能性は十分にある。

　東京の大会組織委員会は今後、日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）や
国際競技連盟などと協議。希望する競技を選んでＩＯＣに提案する。
早ければ来年７月のＩＯＣ総会（クアラルンプール）で追加競技が決定。
採用へ向けたレースは激化するだけに、各競技団体は“ライバル”に勝つための
根回しが求められる。５６年ぶりの母国開催をめぐり仁義なき戦いが繰り広げられる。

日本オリンピック委員会・竹田恒和会長の話
「開催都市が追加種目を提案できることは、（東京五輪の）大会を成功させる上で非常に
明るいニュースだ。今後は公平に、国際オリンピック委員会の基準にのっとって候補を評価したい」

東京五輪・パラリンピック組織委員会スポーツディレクター、室伏広治
「今回のアジェンダはアスリートのことを本当によく考えた内容だ。柔軟性が鍵となっていて、
五輪の将来を考えるとき、柔軟性はとても重要だ。種目の追加によって、自分の種目が
五輪に入るのではと期待する若者も出てくるだろうし、競技人口が増える後押しになる」

リッチビッティ夏季五輪国際競技連盟連合会長
「野球とソフトボールは現行の２８競技にないから総会で採用を決めるテーマ。
来年のクアラルンプール（ＩＯＣ総会）がポイントだろう。東京の大会組織委員会は急ぐ必要がある」

ヒッキーＩＯＣ理事（アイルランド）
「野球とソフトボールは東京から提案されれば確実に入るだろう。開催都市の利益を考えたユニークな改革だ」

呉経国ＩＯＣ理事（台湾）
「実施競技の改革は今回の柱だった。五輪には新しい風が必要だ。新種目を入れれば
削減される種目が出てくる可能性もあるが、バッハ会長が解決してくれる」

（紙面から）

サンスポ　2014.12.9 05:03
http://www.sanspo.com/sports/news/20141209/oly14120905030006-n1.html