【フィギュア】村主章枝のフィギュア評論…自然体の無良、力んだ宇野

シャチ ★＠＼(^o^)／

エース羽生選手がインフルエンザで欠場ということで、宇野選手、無良選手、田中選手らに初優勝がかかる大会となった。

　ＧＰファイナルで３位になった宇野選手だが、冒頭の４回転フリップでステップアウト。２つ目の４回転トウループで転倒と、
得点源となるジャンプでミスをしたため点数が伸びなかった。最大の原因は、力みである。演技前のコーチの元にいる時から、
肩に少し力が入っているように見られた。

　４回転フリップは踏み切り前に軸足と、トウを着く足がずれてしまい、空中で軸が曲がってしまった。
トウループではタイミングが早くなり跳び急いでしまった。以前も書いたが、精神的緊張状態になると呼吸が乱れ、
リズムがずれたり、肩に力が入ってしまうなどの影響が出る。

　宇野選手の場合は、背中の柔らかさが長所でもあるため、そこが硬くなってしまうとジャンプだけでなく、
スケートの伸びにも影響が出てしまう。

　一方、１位につけた無良選手だが、普段よりも肩の力が抜けていて、とにかくスケートの伸びが良かった。
ジャンプの質を評価する上でも、スケートのスピード、滑らかさは重要だが、表現力でもスケーティングスキルという、
スケートの質を見る項目が単独にあるほどだ。

　スケートの滑り具合でスピードが速くなったり遅くなったりするため、スピードがあれば、
その力を利用してジャンプに飛距離も高さも出る。また、普段とスケートの伸びが変わると進む距離も変わり、
それに合わせるタイミングも変わってしまう。だからスケートの滑る滑らないは、大きな問題なのである。

　全日本選手権のようにプレッシャーがかかる大会で緊張しないのは難しいが、呼吸の仕方に気をつけると良い。
呼吸を整えることで自然と心拍数が戻り、心が落ち着く。スケートは氷が固いため、
スケーターが同じく体を硬くした状態で臨めば、全てがうまくいかなくなる。緊張感の中で柔らかさを持つ、
その難しさがこの大会の面白さでもある。（元五輪代表、振付師）

スポーツ報知 12/23(金) 23:29配信　村主章枝のフィギュア評論…自然体の無良、力んだ宇野
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161223-00000216-sph-spo