【野球】ドラフト　難関国立大からプロ目指す東北大・鳩原翔外野手の胸中

砂漠のマスカレード ★

また一人、難関国立大からプロの世界へ飛び込もうとしている選手がいる。
東北大史上初のプロ志望届を提出した鳩原翔外野手（２２）はなぜプロ挑戦を決意したのか。
運命の１０・２６ドラフト会議が近づく中、１年間の浪人を経て念願の東北大に入学、野球と研究に打ち込みながらプロ入りを目指す男の胸中に迫った。

「あの震災があって、初めて自分のやりたいことがはっきりした。もともと大学で野球を続けるつもりはなかったんです。
浪人してまで学びたいことがあって今の大学に入ったのに、その浪人中にまた野球がやりたくなるなんて。
なんだか不思議ですけど、あのとき、もしも浪人してなかったなら、今の自分はないですね」

高校１年から２年に上がる年の春、東日本大震災を経験した。
その日、鳩原は学校での補習を終え、野球部の仲間と部室で着替えをしていた。
「ものすごい揺れでした。着替え中だったんで、みんな上半身裸のままグラウンドに避難したんです。
幸い僕の身近で亡くなった人はいないんですけど、家が流された友達がいたり、電気や水道もずっと止まったままでした。
夜にろうそくの明かりで過ごした体験があって、社会インフラの大切さを身をもって実感したんです」

生活インフラにつながる土木や建築、環境保全について学ぶため、地元・東北大の看板学部である工学部を志望。
当初、野球を続けるつもりはなかったというが、浪人中の２０１３年、再び鳩原の人生を左右する出来事が起こる。
「楽天の日本一を目の当たりにして、無性にまた野球がやりたくなった。浪人中でしたが、居ても立ってもいられなくなって自腹で３万円くらいするマシンを購入しました（笑い）。
勉強の合間に素振りやランニングで体を鍛えたり。浪人中に自分のバッティングを動画に撮って見直してたら大学に入ってからフォームがグッと良くなっていた」

念願かなっての東北大進学後は、１年から試合に出場。
仙台六大学野球ではＢクラスが定位置の東北大で、プロを多数輩出する大学の選手とも互角の成績を叩き出した。
「自分のなかでは自信になりましたね。プロ志望についてはいろんな意見があったけど、最後は監督が後押ししてくれて。親は驚いていたけど、頑張りなさい、と言ってくれました」

現在も野球に打ち込む一方で、もともとの夢である環境保全の研究は継続中だ。
卒論のテーマは「浮草による排水処理」。大規模な施設や電気を使わず、植物の浄化作用だけで下水をきれいにする研究で、
発展途上国での導入を目指し、日夜試験管や攪拌（かくはん）装置と格闘している。

「正直、今もまだ〓藤はあります。研究分野を生かした企業で内定をいただいているところもあって、ドラフトが終わるまで待ってもらっている状況。
こんなことを言える立場じゃないのは分かってますが、やっぱりじっくりと考えなきゃいけないことなので。それでも、もし指名してもらえるなら、挑戦したい」

震災と楽天日本一。運命と必然に導かれた鳩原は東北大初のプロ野球選手となるのか、果たして――。

☆はとはら・しょう＝１９９４年１０月２９日生まれ、宮城県仙台市出身。小学３年のとき、旭ヶ丘少年野球クラブで野球を始める。
台原中軟式野球部では３年春に青葉区で地区優勝。
仙台二高卒業後、１年間の浪人を経て東北大工学部に進学。仙台六大学野球では１年秋に新人王、２年秋に１１盗塁で最多盗塁。
１年秋、２年秋、３年春とベストナイン３度、通算打率は３割９厘。外野手。１８５センチ、８１キロ。左投げ左打ち。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171025-00000006-tospoweb-base
10/25(水) 11:00配信

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