相模湖の廃墟ホテル　「幽霊が出る」との噂

廃虚ホテル、芸術家拠点に　旧藤野町元職員ら

　人口減が進む中山間地にある相模原市緑区小渕のホテル跡地が、アーティストの活動拠点として生まれ変わろうとしている。
芸術の町で知られた旧藤野町の元職員らの取り組み。
“お化け屋敷”と化していた廃虚に、全国から工芸家や音楽家、役者志望の若者たちが集っている。

　ホテル跡地は、ＪＲ藤野駅から徒歩５分ほどの相模川にかかる日連ひづれ大橋のたもと。
かつてのホテルの地下駐車場に続くスロープを進むと、作業用の工房が並んでいる。

　三重県出身の磯和武明さん（２８）は工房を借りて、家具やかばんを製作している。
俳優志望で、多くの芸術家が暮らす藤野にあこがれて２年前に移住した。
家具などの製作は趣味だが、ここに来て一気に腕が上がったという。
「大きな音を出しても平気で、ものづくりに集中できる。様々なアーティストの存在も刺激になる」と、工機のエンジン音を響かせた。

　ホテルは１９８０年代半ばに開業。地上５階、地下１階建てで、相模湖を見下ろす景観が売りだった。
藤野で開かれる芸術イベントへの参加者らも宿泊したが、バブル崩壊で１０年ほどで閉鎖。
不法投棄の場となり、ぼや騒ぎも相次いで発生し、「幽霊が出る」とのうわさから肝試しに来る人まで現れた。

　２００７年に、元所有者が地下空間を残して建物を撤去。
１１年４月に市が公売にかけ、元町職員の中村賢一さん（６３）らが５１０万円で落札した。
町おこしに取り組む中村さんらは、「廃虚を創作の場に」と地下を１６区画（各約２５平方メートル）に仕切り、工房用に貸し出した。

　賃料は月１万～１万５０００円。
割安のうえ、藤野駅や中央自動車道相模湖インターチェンジに近いこともあり、現在、１５の個人・グループが利用している。
２０、３０歳代が中心で、専門分野は工芸、陶芸、絵画、音楽など様々。宮城、新潟、福島、岐阜県など全国から集まっている。

続き
http://www.yomiuri.co.jp/local/kanagawa/news/20150831-OYTNT50347.html

相模湖の廃墟ホテル 「幽霊が出る」との噂

相模湖の廃墟ホテル　「幽霊が出る」との噂