量産型寿司職人(研修3時間x16)

ＳＵＳＨＩ修業２カ月で上がり　訪日客に人気、職人需要増　福岡の企業が独自研修
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/282427

日本食ブームの中、外国人に人気が高い「ＳＵＳＨＩ（すし）」。インバウンド（訪日外国人客）の増加などで高まる需要に応えようと、長い修業期間が当たり前だったすし職人を短期間で養成する動きが広がっている。
福岡県の外食グループも社員を対象に職人を育てる独自の研修に乗り出した。期間は２カ月間。ＳＵＳＨＩファンを満足させる「おもてなし」の職人は誕生するのか－。

受講生が握ったすしを講師が箸でつまみ上げた。ねたをのせた酢飯が少しずつこぼれ落ちる。

「１、２、３…はいアウト！」。理想は口に運んだ瞬間に酢飯がほろほろと崩れる握り具合。およそ５秒キープできれば合格だ。

県内を中心に居酒屋や焼き肉店など３２店を運営する外食企業グループ「ＯＢＵカンパニー」（筑紫野市）。好調なすし事業の拡大と将来の海外出店に備え、８月からすし職人の養成研修を福岡市内のすし居酒屋で開始。
社内で受講生を募ったところ１６人が手を挙げ、各店を代表する２３～４９歳の１０人が選ばれた。

研修は計１６回行った。受講は無料で毎回３時間、「ねた切り」「握り方」「巻きずし」「カウンターでの立ち居振る舞い」などのカリキュラムで進む。
講師の一人で、同社のすし部門を統括する瀬川大平さん（４７）は「苦労して技を身に付けた職人としては抵抗がある」と本音を口にしつつ、「店頭なら２年分の修業に相当する内容」と胸を張る。

受講生の多くは日ごろ飲食店で働いているプロとあり、「あとはセンスと努力次第」。近年、少しずつ外国人客が増えているという串焼きの「松介」料理長の浜中勇介さん（３８）は「鶏肉のすしも作ってみたい」と意欲的だ。

すし職人になるには従来、専門店などでの長い修業が必要だったが、同社は「やる気のある社員に、うちで働きながら短期で即戦力になってもらいたい」と独自研修を企画。今回は半数が追試となったが、来月までに全員合格を目指す。
(略)