日本車の歴史上唯一、V型12気筒エンジンを搭載した市販乗用車であり、メカニズム的にも、
インテリアや塗装の面でも最高のクオリティをもって作られている、最高級サルーン。
かつてその座を二分した日産 プレジデント亡き今、世界中で作られている日本車全ての頂点に立つ
フラッグシップモデルと言えるクルマで、海外でも日本そのものを示すアイコンとして、
大使館など在外公館向けに少数が輸出されています。
最近は新型NSXやレクサスLSなど、センチュリーより車両本体価格で上回るクルマが存在するとはいえ、
各種オプションなどを含めた実際の納入価格では今尚No.1という説もあり、庶民に馴染みの深い
クルマでは無いため、何か秘密のヴェールに包まれたクルマという印象です。
田舎でも、ちょっとした会社の社長などが運転手付きのセンチュリーを使っていることがあります。
いわば地方の名士というわけですが、大都会ではともかく、田舎の狭い世界ではセンチュリーの色や
ナンバーを見かけただけで、「ああ、○○の社長だね」ということは珍しくありません。
そのため、ただセンチュリーだけで注目を浴びるわけですが、地方の名士であればどんなクルマに乗っても
それは変わりませんから、それなら一番いいクルマにしようと思っても不思議では無いでしょう。
昔は「センチュリーはそのブランドを損なわぬため、役目を終えればトヨタが全て引き取り、スクラップにする。」
という都市伝説がありました。
実際、中古車市場に出回る数は少ないので、ある程度は真実なのかもしれません。
しかし、役目を終えたセンチュリーがトヨタに必ず戻るとは限らないのも事実です。
倒産した会社の持ち物が競売にかけられる事もありますし、
最初から個人所有の自家用車として使われていれば、どこに売るのも自由。
そして中古車として考えた場合、VIPカーのベースとしてはもっとも威厳のあるクルマですから、それなりに需要もあります。
購入後のメンテナンスや部品代が高めの傾向にあることや、走行距離が多い個体が多いためか、
中古車価格が安いこともあり、わりと若い人が乗り回していることも多いですね。
http://car-me.jp/articles/6803
運転も後部座席も