田原総一朗「保守の論客たちは、天皇陛下を嫌っているのだろう」

名無しさん＠涙目です。

保守の論客は陛下を嫌っているのだろう

　天皇陛下も、僕のこの気持ちと同じだったのではないかと思う。陛下は当時、小学校6年生だった。
終戦を境に周りの話が180度変わり、大変混乱されたと思う。
父である昭和天皇は、今上天皇に「この戦争は間違いだった。全責任は自分にある」としっかりとお話しされたのではないだろうか。

　だからこそ、陛下は父の戦争責任を償うために、激戦地への慰霊の旅を続けているのだと思う。

　皇族のお身近なことがらなどを担当する侍従職の最高幹部である河相周夫侍従長は、僕の友人だ。
陛下が15年4月9日にパラオ共和国のペリリュー島を訪問された時、彼も同行した。

　陛下は自衛隊の船に宿泊し、翌日にヘリコプターで移動するというハードな日程が組まれていた。
陛下の体調を考えると、かなり厳しい内容だ。
そこで河相氏は陛下に「今回の慰霊訪問は難しいのではないか」と尋ねたところ、陛下は「大丈夫だ」とおっしゃり、非常に無理をしていらっしゃったという。

　こうした陛下の行動からも、「鎮魂のために行かなければ」という強いお気持ちが読み取れる。

　ところが、保守・右派の論客たちにとっては、こういった天皇陛下の行動が気に入らない。
「第二次世界大戦は正しかった」という考えを持っているからだ。
だから、陛下が憲法を守ろうとして靖国神社に参拝されないことについて、極めて腹立たしく思っている。

　はっきり言えば、保守の論客たちは、陛下を嫌っているのだろう。
陛下の行いがすべて気に入らない。だから、「生前退位などやる必要がない」と主張しているのだ。

　僕は、陛下はそのことを全て分かっていらっしゃると思う。その上で、精一杯戦っておられる。
それが「象徴」としての務めだと考えていらっしゃるのだ。

天皇陛下の不満を、政府は無視するのか
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/122000032/052500022/