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日本史学者 「"歴史に学ぶ"という考え方は危険。ワンピースやスラムダンクでも読んでろ」

2 :名無しさん@涙目です。:2018/08/06(月) 21:59:32.96 ID:ziSUXk5R0.net
「うまくいくかどうかというのは結果論」

――では歴史を学ぶコツって何でしょうか

「歴史『に』学ぶのをやめることです。歴史上の英雄は、さも未来を完全に見通して策略や陰謀を図った、という風に称賛されがちですね。
でも、超能力者でもないのに『100%計算通り』なんてありえないでしょう。そんな超人から、われわれ凡人が何を学ぶんですか」

「ビジネス書には『信長のようにビジョンを持て』などという話がよく登場しますが、ビジョンを持てばうまくいくというのは少し違う」

「むしろ、見通しが外れたときにどう軌道修正していくかというほうが大切だし、そういう危機管理能力に注目したほうが、現代を生きる上で役立つのではないでしょうか。
そこから『起死回生の一策』が生まれることもある。ただそれも、うまくいくかどうかというのは結果論によるところが大きいと思います」


――でも、ビジョンは欲しいし「物語」も欲しいです
 
「それを求めるなら、ぜひ『ワンピース』や『スラムダンク』などの素晴らしいフィクションでどうぞ。歴史を『物語化』するのは全くお勧めしません」

「これはかなりまじめな話です。事実、俗説を『歴史的事実』と誤解し、それを根拠に物事を決定して、失敗してしまった例は多い」

「例えば、太平洋戦争。日本軍が奇襲を多用した背景の一つに、源義経が一ノ谷の戦いで見せた(断崖絶壁を馬で駆け下り、敵陣の背後を急襲した)『鵯越の逆落とし』があったと言われます。
「『義経は奇襲で平家の大軍に勝った。だからわれわれも、奇襲でアメリカに勝てる!』と思ったわけです」

「しかし奇襲が上手くいったのは真珠湾攻撃など最初だけで、あとは連戦連敗でした」

「実は最近の研究では、鵯越の逆落としは『平家物語』の創作で、事実ではない、と考えられている。現実の義経は、非常に用意周到な武将だったことが分かってきています」

「その場で奇想天外な作戦を思いついたのではなく、自身に有利な態勢を着々と整え、勝つべくして勝った。
義経の作戦をきちんと研究していれば、『奇襲で戦争に勝てる』などという見当違いの教訓を導き出すことはなかったでしょう。
歴史を物語として学んでしまうと、こういう大やけどをすることもあるのです」


「歴史学の手法をぜひ知って」

――歴史「に」ではなく、歴史を学ぶにはどうすればよいでしょうか

「この本を通して、歴史学の手法をぜひ知ってほしいです。真実にたどりつくまでのプロセス、つまりどう考えて、
調べて、研究を進めれば歴史的事実をある程度確定させられるのかという手法を学ぶということです」
 
「この技術は現代にもつながります。歴史上の史料は、偽書なども紛れていて実に玉石混交です。そういったものを慎重に見定め、
真実にたどりつこうとする歴史学の手法は、現代の情報社会を生きるうえでのスキルにも近いと私は思います」

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