【東京五輪】八村塁を日本選手団の旗手に、実績、知名度…ＪＯＣ白羽の矢 [鉄チーズ烏★]

鉄チーズ烏 ★

[2021年6月20日5時0分]
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202106190001017.html
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/img/202106190001017-w1300_0.jpg

日本オリンピック委員会（JOC）が、7月23日の東京五輪開会式で日本選手団の旗手として、バスケットボール男子で米NBAウィザーズの八村塁（23）を選ぶ方向であることが19日、複数の大会関係者への取材で分かった。JOCは主将、副将、旗手男女1人ずつを選定中。「多様性と調和」を掲げる東京五輪の男子旗手として、ベナン人の父と日本人の母を持ち、世界レベルで活躍する八村がふさわしいと判断した。

　　　◇　　　◇　　　◇

JOCが、男子旗手として米NBAで活躍する八村に白羽の矢を立てた。国際オリンピック委員会は3月の理事会でジェンダー平等の観点から、旗手について男女1人ずつのペアで起用できる新ルールを決定。JOCは八村に大役を任せる見通しとなった。主将、副将、女子旗手は引き続き調整しており、7月6日の日本選手団結団式までに4人が出そろうことになる。

コロナ禍で1年延期など、紆余（うよ）曲折を経た東京五輪。大会のコンセプトとして「多様性と調和」を掲げている。八村は19年5月、日本人で初めてNBAドラフトで1巡目指名を受けた。その際、ワインレッドのジャケットを着用。その裏地は右側が日本の浮世絵、左側にベナンの伝統的な柄がデザインされていた。2つの国への思いを胸に、世界最高峰の舞台で活躍。アスリートとして、国際的な知名度も高い。

加えて、東京五輪の競技日程も、旗手八村を後押しする。関係者は、旗手の選定について「競技が優先。そこは絶対。競技を優先しなければ、変な話になる」と話している。バスケットボールはすでにスケジュールが発表されており、男子代表は7月26日にスペインと1次リーグ初戦を行う。同23日の開会式から中2日空いており、比較的余裕がある。

バスケットボール男子日本代表は国内組がフィリピンに遠征して、この日までアジア杯予選を戦った。代表選考は最終段階に入っている。ただ八村は、本場のNBAで2シーズンを戦い抜いており、日本人初のプレーオフも経験した。日本代表の大黒柱として欠かせない存在。7月以降に、日本代表に合流する見通しだ。

現時点でバスケットボールの男女日本代表は7月23日の開会式に出席する方向で、調整している。チームで開会式に出席する形であれば、仲間たちと別行動をとる必要もない。八村が、日本選手団の男子旗手として、日本スポーツ界の今を世界中に広める大役を担う。

◆旗手　開閉会式の入場で国旗を持って、選手団を先導して歩く。その国を代表する選手が務めることが多い。1928年アムステルダム大会から始まって、日本の旗手1号は陸上中沢米太郎。これまで19人が務めた。海外でも08年北京大会の中国はバスケットボールの姚明（ヤオ・ミン）、12年ロンドン大会のジャマイカは陸上のウサイン・ボルト。16年リオ大会の米国は競泳マイケル・フェルプス、スペインはテニスのラファエル・ナダルなど世界的なスターが務めてきた。

◆八村塁（はちむら・るい）1998年（平10）2月8日、富山市生まれ。ベナン人の父と日本人の母を持つ。小2で最初に始めたのは野球で強肩捕手、同時に取り組んでいた陸上でも小5で全国大会に出場。富山・奥田中でバスケットボールを始め、宮城・明成高で年末の全国高校選手権（ウインターカップ）3連覇。卒業後、米ゴンザガ大に進学した。19年ドラフトで日本人で初めて1巡目指名を受けてウィザーズに入団。趣味はゲーム。203センチ、104キロ、血液型A。