【スキージャンプ】スーツ縫製の舞台裏明かす「１センチの縫いしろ直前までチェック」…ミズノの担当者 [鉄チーズ烏★]

鉄チーズ烏 ★

2/15(火) 6:00配信　スポーツ報知　
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd07eab993d4d045531176e367fd3c91a8545b43

　ジャンプ競技に欠かせないスーツ。混合団体（７日）で高梨沙羅ら４か国５人の失格者が出たことで、細かなルールの厳しさも浮き彫りになった。スポーツ用品メーカーのミズノで選手フォローや縫製を担当する尾形優也さん（２４）は、東海大までノルディック複合に取り組んだ元選手。中村直幹は小学生から背中を追い続けた先輩だった。大会前に取材に応じ、アスリートとして届かなかった舞台に違った形で携わる思いを明かした。

（取材・構成＝細野　友司）

　私は２０２０年入社で、社会人２年目。東海大まで競技をしていて、（ジャンプ男子代表の中村）直幹さんは、小学校から大学まで全部同じで、一緒に飛んでいました。２０年夏から現在の立場になって、初めてＷ杯の現場でサポートしたのは同シーズン開幕戦のビスワ大会（ポーランド）。ジャンプスーツのルールは本当に細かくて。選手がスタート台に立つまでの準備に、これほど手間と時間がかかっているんだと驚きました。

　一番細かいと思ったのは、ルールに「スーツの縫いしろの幅が１センチ以内」というのがあります。検査員はスーツの表裏をひっくり返して定規で測ります。１・１センチでも失格。本当に細かいと思いました。縫製が必要なのは、選手の体とスーツの大きさもルールで決まっているからです。男子はスーツのゆとりは体から１〜３センチ、女子は２〜４センチ。例えば選手が痩せると相対的にスーツが大きくなるので、ミシンで詰めます。選手もジャンプ台まで体重計を持ち込み、試合直前までチェックを欠かさないです。

　私は札幌生まれで、出身の大倉山小学校の裏手はジャンプ台という環境。口では「五輪」を目指してきたけど、やはり手が届かない遠い存在でした。選手としては、五輪はもちろんＷ杯も手が届かなかったけど、スタッフとして世界に出られる。誇りだし、やりがいがありますね。自分が手がけたスーツで勝ってくれるとうれしいけど、あくまで選手が強いから勝つ。それでも少し支えていられるなら、うれしいと思いますね。

　全国民がジャンプをやるようになるのは不可能ですけど、４年に１度の特別感もあって注目される契機になればと期待します。好きな人が増えたら選手たちのやりがいも増すし、注目が高まれば待遇面もさらに良くなると思う。メーカーとしてジャンプ競技をもっと面白いものにしないといけない、と思っています。（談）