文春編集長「世の中に対して大きな影響力を持っている人物は「建前」だけでなく「ホンネ」の情報も広く伝える、それが週刊誌の役割だ」

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週刊文春 | 編集長メッセージ | 文藝春秋採用案内2014

この世の中に週刊誌作りほど面白い仕事はない。入社25年目の私はそう断言できます。
「事実は小説より奇なり」ということわざがありますが、「週刊文春」の取材現場では日夜それを実感する出来事が起こります。

「巨人軍の原辰徳監督が元暴力団員に女性問題で脅されて、1億円払っていた──」。
最初に聞いたときはあまりに出来すぎた話に、思わず首を傾げたものです。
ただ情報を持ってきたのは、普段からいぶし銀の仕事ぶりに定評がある優秀な記者です。
彼を信じて潜伏取材を続けること約1カ月。

当事者から次々にこの情報を裏付ける証言、証拠が集まってきました。
取材班には入社2年目の若手記者もいましたが、自らの手で目の前の「謎」を解いていく醍醐味に目覚めたようで、
この取材を契機に急成長しました。「まるで松本清張の小説の世界でした」とは、この若手記者の感想です。

週刊文春では、新入社員が配属されると、何の研修もなく、すぐに現場に出ます。
扱うテーマは政治、経済、芸能、スポーツから、殺人事件まで、何でもあり。

昨年の新人の目覚ましい活躍をひとつ挙げると、AKB48の前田敦子さんの「深夜のお姫様抱っこ」のスクープ写真があります。
これは前田さんを、書店でのサイン会からずっと追跡し続けた彼の執念が実を結んだものです。

　学生の皆さんの中には、なぜ週刊誌は相手が嫌がるスキャンダルばかり書くのか、と思っている方もいるでしょう。
確かにそう思うのも無理はない。
ただ一方で、いまはツイッターやフェイスブックで、政治家、芸能人、スポーツ選手などが、
自分で情報を発信できる時代です。そしてそこに書かれているのは、彼らにとって都合のいい情報ばかり。

世の中に対して大きな影響力を持っている人物については、「建前」だけでなく、
「ホンネ」の情報も広く伝えるべきであり、私はそれこそが週刊誌の役割だと思っています。
さらに言えば、週刊誌作りの原点には、人間への興味があります。
年頃の女の子が時には酔っぱらって男の子の前で涙を見せたり、花形野球選手がつい身近な女性と関係を持ってしまう。

だからこそ人間は面白いのです。「恋愛禁止」とか、「紳士たれ」の「建前」に封印された"人間っぽさ"に迫りたい。
難しく考えることはありません。有名人の知られざる素顔、大事件の驚くべき舞台裏を真っ先に知りたい。
そう思うあなたは週刊誌に向いています。

週刊文春編集長新谷学
https://web.archive.org/web/20130719192101/http://www.bunshun.co.jp/recruit/about/magazine/shukanbunshun.html

文春編集長「世の中に対して大きな影響力を持っている人物は「建前」だけでなく 「ホンネ」の情報も広く伝える、それが週刊誌の役割だ」

文春編集長「世の中に対して大きな影響力を持っている人物は「建前」だけでなく「ホンネ」の情報も広く伝える、それが週刊誌の役割だ」