なぜ今、ハロプロの超実力派Juice=Juiceがシティ・ポップの名曲をカバーしたのか

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ハロー！　プロジェクト所属のアイドルグループ、Juice=Juiceがニューシングル「DOWN TOWN / がんばれないよ」をリリースした。
両A面シングルの1曲目「DOWN TOWN」は、シュガー・ベイブの代表曲のカバーだ。このカバーにまつわるいくつかの文脈について解説してみたい。
シュガー・ベイブとハロプロの隠れた縁
シュガー・ベイブは、山下達郎や大貫妙子らが在籍していたことで知られるロックバンド。活動期間は約2年半と短く、唯一残したオリジナルアルバムが1975年リリースの『SONGS』で、
「DOWN TOWN」はその2曲目に収録されていた(同曲はアルバム発売日と同日にシングル盤としてもリリースされている)。作詞はメンバーの伊藤銀次、作曲は山下達郎。
『SONGS』の発売レーベルは、当時はっぴいえんど解散直後だった大滝詠一の主宰するナイアガラ、発売元は独立系レコード会社(平たく言えばインディーズ)のエレックだった。
アルバムの宣伝を担当していたのが、当時エレックの社員だった山崎直樹。
のちにアップフロントグループの社長そして会長となってモーニング娘。をはじめとしたハロプロ系アイドルを世に送り出した人物であり、ハロプロと「DOWN TOWN」の隠れた縁を感じさせる。
『SONGS』は、70年代当時にはアグレッシブだったりアウトロー的なイメージがまだまだ一般的だった邦ロックミュージック界隈において、
そこにとどまらない豊かな音楽性により、同時期のはっぴいえんどと並んで、日本ロック史黎明期を飾る名盤としての評価が高い。
シングルカットされた「DOWN TOWN」の人気も高く、現在までさまざまなアーティストによりカバーされている(たとえば土岐麻子、坂本真綾、TAHITI 80、ほか多数)。

ハロプロの実力派グループとして
メジャーデビュー以降のオリジナルメンバー5人時代に、ハロプロ内でも特に歌唱力やパフォーマンス力が高いグループという評判を勝ち得たJuice=Juice。
現在では、当時のメンバーは金澤朋子と植村あかりが残っている。
稲場愛香は、「あざかわ」と呼ばれる可愛らしいルックスと仕草が特徴だが、さらにダンススキルがハロプロ内でも一二を争う高さを誇っている。
2020年に放送されたテレビ番組『Love music』(フジテレビ系)でのハロプロメンバー全員によるアンケート調査でも「ダンスがうまいメンバーランキング」の1位に選ばれていた。
　井上玲音は2020年に解散したこぶしファクトリーのメンバーだったが、解散後にJ=Jへ加入。
当時からの特技だったボイスパーカッションを活かして、グループへ新たな音楽性をもたらしている(「DOWN TOWN」でも間奏で導入されている)。
　現在のJ=Jにおいて歌唱の要となっているメンバーが段原瑠々。
ハロプロ研修生時代の公開実力診断テストで2度のベストパフォーマンス賞を奪取した後、満を持してグループに加入した。
2019年にはプロ野球の広島VS阪神戦で国歌斉唱を務めたこともある。
　工藤由愛と松永里愛は、2019年にJ=Jへそろって加入してきた、現グループでの末っ子的存在。
しかし松永は同年の研修生実力診断テストでベストパフォーマンス賞、工藤はダンス賞を獲得しており、そのスキルは確かなもの。
「高パフォーマンススキルのJuice=Juice」という伝統は今なお続いているのだ。
　そんな彼女たち7人のポテンシャルと、ここまで述べてきたようないろんな文脈が組み合わさることにより魅力的な作品と仕上がった「DOWN TOWN」。
2021年の今現在歌われることに意義のあるものともなっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7c5f5af2def95b728bd4d65ca59a6ed652378da?page=2